(2011年7月8日追記あり)
電子記録債権の金額的重要性が高まりつつあるため、取扱について整理してみる。
電子記録債権については、以下の実務対応報告を参考に会計処理を行うことになる。
「電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い」(実務対応報告第27号 平成21年4月9日)
(処理メモ)
実務対応報告では、電子記録債権法に基づく債権等を以下①・②に区分し、それぞれの処理について記述している。
【会計処理】
電子記録債権は、手形債権の代替として機能することが想定されており、会計処理上は手形債権に準じて取り扱う。
注意点は、電子記録債権がB/S上手形債権と指名債権が区分される取引かどうかで会計処理が異なること。
(処理)
債権Aについて、電子記録債権法に基づく発生記録がなされた場合、
①債権AがB/S上手形債権が指名債権とは別に区分掲記される取引に係る債権の場合
「電子記録債権」等の科目に振り替える。
ただし、金額的重要性が乏しい場合は、「受取手形(支払手形)」に含めて表示する。
※ 例えば売掛金や買掛金に係る取引が該当
②債権AがB/S上手形債権が指名債権とは別に区分掲記されない取引に係る債権の場合
科目振替は行わない。
※ 例えば、貸付金や借入金に係る取引が該当
(memo)
例えば、現行企業会計上は、
借入金は、手形借入であっても、証書借入であっても、B/S上の表示は「借入金」等として表示する。
一方、買掛金は、手形債務の場合、「支払手形」として表示し、指名債務の場合、「買掛金」として表示する。
電子記録債権についても、この取扱に準じて表示を検討する必要がある。
(2011年7月8日追記)
類似の取引として、一括支払信託等の取引が存在するが、当該取引は、売掛金等の金銭債権を信託財産を拠出して、信託受益権を入手する取引である。
したがって、当該取引については、金融資産の信託や不動産の信託においては、受益者は信託財産を直接保有する場合と同様の会計処理を行うものとしている金融商品会計実務指針第78項及び第100項に従って会計処理を行うこととなる。
つまり、電子記録債権と信託受益権は、取引上似ている部分があるが、会計処理は異なることに留意する必要があると思われる。
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