主要な改正点の一つ。
論点が多いため、再整理が必要だ。
◆全体感
全体としての取扱は、以下のとおりとなった。
【改正前】原則法:期間定額基準、例外・容認:ポイント基準・支給倍率基準
↓
【改正後】原則法:期間定額基準又は給付算定式基準
※給付算定基準とは、退職給付見込額について退職給付制度の給付算定式に従って各勤務期間に帰属させた額を各期の発生額とする方法。
支給倍率基準はここに含まれる(ポイント基準は議論がある)。
ここで注意が必要なのは、改正後においては、期間定額基準による期間配分法は容認に近い原則法であるという点である。
期間定額基準については、「実務上の混乱の回避」や「必ずしも不合理とはいえない」などという消極的な理由で残されているにすぎない。
IFRSでは、給付算定式基準が原則法とされているため、アドプションの段階で期間定額基準自体がなくなってしまう可能性もありそうだ。
◆期間定額基準→給付算定式基準への変更
(適用指針案第38項)
改正前に期間定額基準を採用していた場合であっても、適用初年度の期首において、給付算定式基準を選択することができる。
おそらく、期間定額基準を採用している会社が多いのではないだろうか。
IFRSを見据えると、いつかは給付算定式基準に変更する必要がありそうだ。
そのため、本改正の際に一気に給付算定式基準へと変更する考え方も合理的であると思われる。
その際には「やってもいい」と認めている条項という位置付け。
少し気になるのが、3月決算会社にとっては既に遅いタイミングではないかという点。
まあうちは12月なのであまり気にしないことにする。
◆連結会社間での処理方法の統一
(本適用指針案第78項)
期間帰属方法の選択は、会計方針の選択適用に当たるため、本来は連結会社間で統一すべきであるが、財務諸表に与える影響や連結上の事務処理の経済性等を考慮し、必ずしも統一する必要はないものと考えられる。
ビシッと統一しているグループであれば、早めに調整が必要である。ただし、一定程度、各会社が別々の処理をすることを容認しているグループであれば、「あまり気にしなくてもよい」ということになるだろうか。
◆気になる未整理事項
・給付算定式基準の場合のただし書き
ただし、給付算定式が著しく後加重である場合、定額法による補正が必要。
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