2011年9月20日火曜日

循環取引等不適切な会計処理への監査上の対応について

平成23年9月15日、日本公認会計士協会から『循環取引等不適切な会計処理への監査上の対応等について』(会長通牒平成23年第3号)と題する会長通牒が発出された。
以下はメモ。

【1.構成などのメモ】
全9ページ・5セクション建て。
題名からも当然であるが、文章のおよそ7割(大体6.5p/9p)が「4セクション目の監査手続実施上の留意事項」に充てられている。
4セクション目の中でも(1)リスクの評価、(3)残高等の確認は、それぞれ1p2pが割かれており、監査人にとって重要だというだけでなく、事業会社としても、ここを重点的に実施することが循環取引等の防止に効果的であり、また、経理部門としても説明責任を果たすことになるものと思われる。

【2.内容メモ】
以下は、印象に残った箇所のメモ書き

1.循環取引の特徴
・取引先は実在することが多い
・資金決済は実際に行われることが多い
・会計記録や証憑の偽造又は在庫等の保有資産の偽装は、徹底して行われることが多い

4.監査手続実施上の留意事項(8)異常性分析
回転分析や比率分析は、前期との比較等の短期間の分析では、それほど異常性が顕著には出ていない場合でも、中期的な趨勢を分析した場合には、異常性を認識できることもあるので、その点にも留意する。

4.監査手続実施上の留意事項(9)異常点への対応手続
① 会計システムと業務システムとの金額の整合性の確認
② 異常な会計伝票の有無の確認

2011年9月15日木曜日

四半期報告書の簡素化に関する注意点

先日、仰星監査法人の竹村純也氏のブログに「第2四半期では省略規定の復活に気をつけろ!」と題したエントリーがあった。

非常に参考になったので、以下で内容要約メモ。

【以下、内容要約メモ】
四半期報告書の簡素化についての注意点。
「第1四半期・第3四半期」と「第2四半期」では、省略規定が異なるため、直前四半期の四半期報告書を確認しながら当該四半期の四半期報告書を作るという実務が成立しなくなるという点。
特に第1→第2の場合は、必要な事項にモレが生じかねないため、注意が必要である。
また、四半期全体(第1・第2・第3)を通した当社(グループ)の省略等の方針を明らかにしておかないと第1と第3で省略の内容が違ったり、何を省略してよいか分からなくなったりしかねないという点。
これをうまく解決するためには、
①そもそもどのような省略規定があり、
②当社(グループ)は、どのような方針でそれを適用しているのかについて
③第1~第3四半期を通じて管理する
ような仕組みを持つことが必要である。

なお、竹村氏は、①~③を満たす資料(一覧表)を無料で提供しており、竹村氏のブログから仰星監査法人のHP経由でダウンロードすることができる(登録要)。
【参考】
P.S.バンブーブログ「第2四半期では省略規定の復活に気をつけろ!」
http://bambootakemura.blog.fc2.com/blog-entry-65.html

2011年9月1日木曜日

決算短信・四半期短信の開示時期

四半期短信・決算短信の開示時期等について再整理。

1.開示時期
(1)四半期短信:四半期決算の内容が定まった場合直ちに。
         ただし、四半期報告書の提出までには行うことが必要。
(2)決算短信:遅くとも期末後45日以内が適当、30日以内が望ましい。
        なお、期末後50日を超える場合は、所定の開示が必要。

2.集中緩和要請
(1)毎月末、毎週末、決算期末後45日目を避ける
(2)午後3時台のピークタイムを避け、午前中などの決算発表を。
   特に午後3時は最も集中するため、発表時間を1分以上前後。
なお、東証が定めている分間当たり上限件数を超えた場合には、別の日時を指定するようエラーメッセージが出る。

3.その他
有価証券報告書及び四半期報告書が法定期限までに提出されない又は提出できる見込みがない場合には、法定期限翌日に監理銘柄(確認中)に指定され、法定期限経過後1カ月以内に提出されない場合には、当該銘柄の上場が廃止される。

(参照記載)
『2人以上の公認会計士又は監査法人による監査証明府令第3条第1項の監査報告書又は四半期レビュー報告書(公認会計士又は監査法人に相当する者による監査証明に相当する証明に係る監査報告書又は四半期レビュー報告書を含む。)を添付した有価証券報告書又は四半期報告書を、法第24条第1項又は法第24条の4の7第1項に定める期間の経過後1か月以内(天災地変等、上場会社の責めに帰すべからざる事由によるものである場合は、3か月以内)に、内閣総理大臣等に提出しなかった場合』(有価証券上場規程601条)
(参考)

1.決算短信様式・記載要領等(平成23228日公表)平成2331日以後最初に終了する事業年度に係る通期決算より適用
2.四半期決算短信様式・作成要領(平成2363日公表、617日一部修正)平成2341日以後開始する事業年度の第1四半期決算より適用
3.有価証券上場規程[東京証券取引所](平成2361日施行)