2011年4月18日月曜日

キャッチアップ方式とプロスぺクティブ方式

ロスペクティブ方式・キャッチ・アップ方式・レトロスペクティブ方式なる用語を目にするようになった。
過年度遡及修正の関係で登場することが多いようだが、用語の理解ができていなかったので、今回整理。
改めて見てみると、当社グループ内でも処理方法が混在している。
整理する必要がありそうだ。

【用語の定義】
①プロスペクティブ方式
新しい見積りと今までの見積りとの差を将来期間で修正する方式
②キャッチアップ方式
新しい見積りと今までの見積りとの差を見積りの変更を行う期間1期で修正する方式
(初めから新しい見積りでやった場合の額まで追いつかせる方式)
③レトロスペクティブ方式
過年度遡及修正


【設例】

ある固定資産:取得価額100、耐用年数10年、定額法償却
この固定資産について、償却開始後 3 年目の期末に耐用年数を10 年→5 年に変更。
このとき、①プロスぺクティブ方式②キャッチアップ方式による修正計算は以下のようになる。

①プロスぺクティブ方式
・今までの償却スケジュールによる償却額は10/1年(=100/10)
3 年目期末時点の資産簿価=70 (100-(10×3))
・残り2 年で残りを償却(4年目以降、償却額を35/1年に修正)
したがって、簿価ゼロとなる5年目末までの償却額は10・10・10・35・35

②キャッチ・アップ方式
・今までの償却スケジュールによる償却額は10/1年(=100/10)
3 年目期末時点の資産簿価=70 (100-(100/10×3))
・耐用年数が初めから5 年だった場合の償却スケジュールによる償却額は20/1年(=100/5)
・耐用年数が初めから5年だった場合の償却スケジュールによる資産簿価は40(100-(20×3))
3 年目期末時点の資産簿価を70 →40 へ30 を償却)
・残り2 年で全額償却【4 年目以降、20/1年に修正】
③レトロスペクティブ方式
省略(初めから全部なおす)
【雑記】
接頭辞 pro:前向き、将来の retro:後ろ向き、逆側の
プロスペクティブ・レトロスペクティブの検索結果は医療研究に関するページ多数。
プロスペクティブ調査:現在から将来に向かってデータを集める手法
レトロスペクティブ調査:現在から過去にさかのぼってデータを集める手法
例えば、レトロスペクティブ調査により、症例研究を行い、どのような治療法が有効かを推し量り、
プロスペクティブ調査により、その治療の有効性を確かめるという言い方をするようだ。


【参考資料】
過年度遡及修正の論点整理 大和総研2007年7月25日
http://www.dir.co.jp/souken/research/report/law-research/accounting/07072501accounting.pdf


 

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